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第3話 オリジナルの投稿日:2008/02/02(Sat) 20:12
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- 「カイチョー、おはよう」
マールが麗子に朝の挨拶をする。
「お早う、マールちゃん。カイチョーじゃなく生徒会長って言ってね。マールちゃんが言うと怪鳥に聞こえるから」
「はーい」
「うん、良い返事ですわ」
にこっと微笑んだ真藤麗子の背後には、赤いバラがたくさん生えていた。錯覚…じゃないようだ。
「お嬢様の嗜みですわ」
少女マンガじゃあるまいし。
真藤麗子。この街の名家にして、白鷺学園の生徒会長。スポーツ万能、才色兼備、人当たりも良く、面倒見も良い。
ちょっとプライドが高いが、それが鼻につくほどではない。庶民の話にも通じていて、男どころか女の子にも
人気がある。いうなれば、パーフェクト・ガール。末はこの国初の女性総理も夢ではない。
そのパーフェクト・ガールが、なぜか美紗子にはキツイ。
(彼女と私じゃF1マシンと軽自動車なのに…)
改めて真藤麗子を見る。このまま、グラビア・アイドルにもなれる美貌&プロポーション。
対して美紗子は、おかっぱ頭にメガネっ娘。大きい黒縁のフレームがジミ系のそれを醸し出していた。
「真藤さんに勝てる要素なんて1つもないのに」
美紗子のつぶやきに、マールが耳聡く答えた。
「ううん。美紗子お姉さんも結構いいプロポーションしているよ」
「あら、マールちゃん。それは聞き捨てならないですわ」
お嬢様のプライドに障ったのか、麗子が言い返しながら美紗子の横に移った。
マールが、ふたりの体に穴が空くのではないかというくらいに見つめる。
「美紗子お姉さん、B83のEカップ。お椀型で型崩れ無し。カイチョーはB84の同じくEカップ、ゴージャスという言葉が
ぴったり」
ダークエルフは眼がいい。闇の住人という異名があるくらいだから、物差しが無くたって計ることができる。
「Wはお姉さん60。カイチョー58。Hはお姉さん90、カイチョー88」
マールの眼は、レーザー測定器にだって勝ったことがあるのだ。
「カイチョー、おっぱい重すぎ。ちょっと垂れ気味の嫌いあるよ」
「そ、そうお。ありがとうね…」
麗子のこめかみが、ひくひくと動いた。
「お姉さん、お尻が大きいからお腹大きくても違和感ない」
マールが所見を述べた。
(私のお尻が、アイツの目に止まったんだわ。安産型という実に現実的な…)
ため息が、また出た。