真夜中の太陽
「ふう。」 お父様もお母様もパーティーにお出かけ。 今晩は、私一人か。 この屋敷に一人っきりだと、ちょっとさみしいな。 せっかくのクリスマスなのに、勇気を出して竜之介を誘えば良かったかな。 竜之介、何してるかな?
電話 してみようかな。
いやだめだ、竜之介電話嫌いだし。 用もないのにかけたら、変な女だって思われちゃう。
友美、西御寺のパーティー行かないって言ってたよな。 まさか、二人一緒じゃないよな。
唯は、西御寺のパーティーに行くって言ってたけど。 ホントに行ったのかな?
あ〜、二人とも友達なのに、何疑ってんだ、私ったら。
ふう、私ってホントに嫉妬深いな。 でも、竜之介には他にも一杯お相手が居るしな。
ち、ちょっとだけ、電話してみよう。 どうせ、居ないに決まってる。
トゥルルルル トゥルルルル
ガチャ 「はい、もしもし。」 あ、り、竜之介いたんだ。 「もしもし。」 なにかしゃべらなきゃ。 「わ、悪い悪い、家にいたんだ。」 「なんだいずみか、どうしたんだ。」 あ、声だけで、私だって解ってくれた。 「いや、暇だったんでさ。」 「なんだ、暇つぶしに俺を選んだのか。」 やっぱり、迷惑だったかな。 「竜之介、友美と一緒じゃなかったのか?」 「友美と?何でだ?」 何を聞いてるんだ、私は。 「ご、ごめん竜之介。」
ガチャ
はあ、私、何やってんだろう。 結局、友達だなんて言いながら、友美のこと疑って。 私って、 嫌な女だな。