Shaqe Of My Heat
第18話
〜え!?私が二人。対決、UZUKI V 対 UZUKI V
〜
ここは、卯月町内のとある館の一室。
扉には、けんたろうチャットなどと書かれている。
そこでは、作戦会議が開かれていた。
「えーい。いまいましい、UZUKI Vめ。」
「ケン将軍様、落ち着いて下さい。」
「落ち着いてなどいられるか。守銭奴仮面を筆頭に、花屋仮面、キザ仮面と、次々に倒されおって。」
「ここは、私めにお任せを。」
「何?空飛び仮面。お前に何かいい作戦があるというのか?」
「はい、実は戦隊物の定番作戦を、既に実行中でございます。」
「で?その作戦とは。」
「ゴニョゴニョゴニョ。」
「そうか、でかした。UZUKI Vめ、目に物見せてくれよう。」
「では将軍、ログ消しを。」
「さらさら。」
「さらさら。」
「へろへろ。」
「さらさら。」
おお、そう言う訳だったのか。
一方そのころ、UZUKI Vの面々は、卯月町内の「画廊喫茶カトレア」で、特訓を行っていた。
「いいこと?飯島さん。あなたには、まだキUZUKIとしての自覚が足りないのよ。」
「そ、そんな事言われたってさあ。」
「あ、ウエイトレスさん。カレーあと5人前ね。」
「ぐわ。」
「はい、承知しました。」
....特訓ねえ。
「あら?あなた以前、駅前の花屋さんでバイトしてなかった?」
「は、はい。」
「どうしてここへ?」
「実は、お花屋さんの店長さんが、急に行方不明になっちゃいまして」
「大変だったんですね。」
「その時、ここのマスターが、どうしても来てほしいっておっしゃって下さって...。」
チラ。
当のマスターは、カウンターの向こうで、洗い物に精を出している。
「でも、マスターって優しいんですよ。洗い物は、手が荒れるからって、全部やってくれるし。」
はあ、じんとにっくさん、そこまで。
「だから、なれないお仕事でも苦にならないんです。」(はあと)
「....ああいうタイプは、浮気者が多いから、気をつけた方がいいわよ。」
「え?そうなんですか?」
「そうそう、あちこちに手を出してるって噂も聞くしね。」
「この間、斉藤亜子って言う人が、『期間限定なんて、あんまりよ〜。』って言ってました。」
「まあ。」
「真歩子ちゃ〜ん、カレー上がったから、こっちで休んでていいよ。」
「は〜い。あ、私が運びますよ。」
「いいからいいから。」
....。
「お待たせしました〜。」
「ま、まだこんなに食べるの〜?」
「黄色と言えば、カレーでしょ?さあ、文句を言わずに食べる。」
「もうお腹一杯だよ〜。」
「ケン将軍、作戦遂行の為に、この部屋に出入りしていた者を、5人ほど、捕らえました。」
「うむ、でかした。」
「た、助けてくれ〜。」
「な、何だ何だ?」
「こら〜、勝負しろっつってんだろ〜。」
「ぼ、僕が何かしたんですか?」
「は、はめられた〜。」
「....おい。」
「何でしょう?」
「これは、全員男だ。」
「それがどうかしましたか?」
「.....まあいいか。」
「はい。」
「じゃあ、早速改造手術だ。」
「はい。」
「お、おぼえてろよ〜。」
「...あいつら、空に向かって叫んでなかったか?」
「きっと、恐怖のあまり錯乱したんでしょう。」
「そうか。」
ドキドキ。
「改造、完了しました。」
「は、早いな。」
「話の都合って言うのもありますから。」
「そうか、それではここにつれてこい。」
「はい。」
しばらくして、空飛び仮面が1人の男を連れてやってくる。
「ケン将軍万歳。」
「まずは、この者です。」
「ふむ、眼鏡か。」
「ぶらぢるさんばと申します。」
「痩せてて、あまり強そうではないな。」
「見た目ではありません。」
「そうだな。行け、ぶらぢるさんばよ。アカUZUKI
V を倒してこい。」
「わかりました。」
「次は?」
「この男です。」
「ケン将軍万歳。」
「ガンと申します。」
「ふむ、こいつは強そうだな。」
「はい、このリーゼントが決め手です。」
「ちと、チンピラっぽいな。」
「その分、腕っ節も強そうです。」
「よし、アオUZUKIはお前に任せた。」
「お任せ下さい。」
「次。」
「ケン将軍万歳。」
....別に手を抜いてる訳じゃないのよ〜。
「この館のオーナーで、そこつやと申します。」
「おお、背が高いなあ〜。(自称)」
「はい、185CMありますから。(自称)」
「しかし、こんなモデルみたいな体つきで(自称)本当に戦えるのか?」
「大丈夫です。自称ですから。」
「よし、キUZUKIを血祭りに上げてくるのだ。」
「はい、ケン将軍様。」
「後2人か。次。」
「ケン将軍万歳。」
「エルウッドと申します。」
「ふむ、背は低いが、がっしりして強そうな奴だな。」
「はい、武道経験者ですから。」
「ふむ。行け、モモUZUKIを倒してこい。」
「承知しました、ケン将軍様。」
「最後だな。」
「はい、この男です。」
「ケン将軍万歳。」
「オールド・ハワイコナと申します。」
「何だ、コーヒーみたいな名前だな。」
「はい、コーヒー動力で動いてますから。」
「こいつも、小男だが、大丈夫なのか?」
「運動神経は、ありませんが、その分頭が切れます。」
「そうか。行け、ミドUZUKIはお前が倒すのだ。」
「私は、ミドUZUKIより、隊長の方が....。」
「何か言ったか?」
「いえ、楽しみにお待ち下さい。ケン将軍様。」
「後は、切り札がこちらに。」
「おお、これはいけそうだな。」
「はい、今回の作戦の命運は、全てこれにかかっております。」
「ふふふふ。待っておれ、UZUKI V め。今日がお前らの命日だ。」
一方そのころ、UZUKI V は。
まだ「画廊喫茶カトレア」で、井戸端会議に興じていた。
「そうなんですか。教師の傍ら、地球を守るお仕事も。」
「ええ、この子達の自覚がまだ足りなくて、苦労させられてますわ。」
「ねえ、結城先輩。」
「なに?」
「UZUKI V の事って、秘密じゃなかったの?」
「.....ねえ。」
「これは、止められないわね。」
「私は、....楽しいからいいですけど。」
「え〜。奈々退屈です〜。」
と、その時、会話を断ち切るように鳴り響く、携帯電話の呼び出し音。
「はい。私です。」
「何かしら?」
「隊長、携帯なんか持ってたんだ。」
「自分のテーマを着メロにするなんて、すごいです〜。」
「ええ!アカUZUKIが、商店街で万引きを?」
「え!わ、私やってません。」
「わかりました、調査してみます。」
「結城さん。」
「先輩、おとなしそうなフリして、すごいです〜。」
チラッ
「ゆ.う.き.さ.ん、これはどう言う事なのかしら?_」
「わ、私やってません!それに、ずっとみんなと一緒にいるじゃないですか。」
「それもそうね。」
と、再び鳴り響く、着信音。
「ええ?今度は、アオUZUKIが、公園で子供を泣かしてる?」
ジロッ。
「はあ、何か怪しいと思ってたんだよね。加納先輩ってさ。」
「それ、どういう意味かしら?」
「キUZUKIは、駅前で、お年寄りの背中を突き飛ばした?」
「あら、何をするのかと思えば。」
「ぐうっ。」
「モモUZUKIは道行く人たちを、次々に殴り倒してる?」
「私そんな事しません。」
「ミドUZUKIも、校舎のガラスを叩き割って回ってる?」
「え〜。奈々はそんなひどいことしないです〜。」
「.....。」
「隊長、これはきっと、ケン将軍の陰謀です。」
「きっとそうね、キUZUKIを除いて。」
「先輩、どうしてそうなるんだよ。」
「ちょっと、喧嘩しないで下さい。」
「奈々、悲しいです〜。」
「そうね、間違いないでしょう。UZUKI V 出動よ。」
「「「「「はい。」」」」」
「あ、南里さん。今日はこれを持っていってね。」
....どこに隠していたんだろう。
「今日は、2個もですか?」
「ええそうよ、きっと必要になるから。」
「いつも、不思議なんですけど。隊長は、どうして相手に特化した武器を、戦う前に用意できるんですか?」
「もしかして。」
「スパイ?」
「スパイだ。」
「スパイ。」
「南里さん、世の中には、知らない方がいいこともあるのよ。」
「そ、そうなんですかあ。」
「さあ、出動よ。」
あ、ごまかした。
「さあ、後は定番の、園児バス乗っ取りかな?」
「いや、貯水池に薬を混ぜるのも...。」
「悪だくみはそれまでよ。」
「げ...。」
「美しくないわ。」
「え〜っと、皆さん、男性に見えるんですけど。」
「奈々、あんなのと間違えられたくないです〜。」
「誰だ、お前らは。」
「アカUZUKI。」
「アオUZUKI。」
「キUZUKI。」
「モモUZUKI。」
「ミドUZUKI。」
「5人揃って。」
「「「「「UZUKI V」」」」」
「出たな〜。」
「あなた達こそ、何者なの?」
「ふっふっふっふ。」
「ぶらぢるさんば。」
「ガン。」
「そこつや。」
「エルウッド。」
「オールド・ハワイコナ。」
「5人揃って。」
「「「「「UZUKI V」」」」」
あ、頭が痛い。
「.....あなた達には、真似されたくないわね。」
「さあ、今日は造成地で対決だ〜。」
「しかし、見れば見るほど...。」
え〜、ミニスカートのコスチュームを身にまとった、男性の集団をご想像下さい...。
け、毛臑が〜。
「早くやっつけましょうよ〜。」
「行け、下っぱ。」
「どうせ、期待はしてないがな。」
「ホイ〜。」
ドカバキグシャ。
ま、お約束だし〜。
「あ〜あ。」
「行くぞ。」
「ぶらぢるあた〜っく。」
「くう。」
「タア。」
「く、強い。」
「ガン アロハ スパーク。」
「きゃ。」
「オラオラオラ。」
「あっ。」
「そこつやフラッシュ」
「くそ〜。」
「ケンタロンビーム」
「あ、いや〜。」
「エルウッドスペシャル。」
「いや〜。」
「エルウッドキック。」
「た、助けて〜。」
「ハワイコナスラッシュ。」
「お、お母さ〜ん。」
「ルルルアタック。」
「もう嫌です〜。」
..疲れた。
「苦戦しているみたいね。」
「あ、隊長。」
「いい?彼らを操っている、黒幕がその辺にいるはずなの。」
「はい。」
「彼らの動きを止めて、その間に、黒幕をしとめるのよ。」
「モモ、下級生ストームよ。」
「はい。下級生ストーム。いいわね、行くわよ。」
「行くぞ〜。」
「ミド。」
「はい、キ。」
「あ、そっちは偽物。」
「へっへっへ、アオ。」
「ほ、本物に返してどうするんだ〜。」
「いただき、アカ。」
まあ、こんな時、最後には取り返す物でしょう。
「フィニッシュ。」
蹴り上げた爆弾が、頭の上で爆発する。
「あんな所で、爆発しても、何ともないぞ。」
「おい、見ろ。」
爆発地点から降り注ぐ、下級生のパッケージ。
「あ〜〜、俺のだ。」
「馬鹿言うな。」
「渡すもんか〜。」
「待て〜、俺にもよこせ〜。」
「そのDOS版は俺のだ〜。」
その足下には、強力粘着シート。
「ク、クソ。動けない。」
「俺達は、ゴキブリか〜。」
「ちっ、みんな捕まりやがった。」
「見つけたわよ。」
「あなたが黒幕ね。」
「そう。我こそは、ケン将軍の部下。恋姫仮面。」
「名前なんか、聞いてないです。」
ああ、こんな所にいたのか。
「では、諸君またあおう。」
「逃げようったってダメだよ。」
「ち、ちょっと待て、私は武器を持たされていないんだ。」
「往生際が悪いですね。」
「仕事持ち帰りストーム。いいわね、行くわよ。」
ち、ちょっと待った。
「え?何ですか。」
か、彼を殺されると、私は非常に困る。
「え〜、でもお。」
彼の、SSが読めなくなるのは、非常に辛い。
「でも、彼を倒さないと、偽物の皆さんは、あのままですよ?」
.....。
「自分の作品でしょう?」
うう。
「どっちにするんですか?」
.....ごめんね、天巡 さん。
「ミド。」
「キ。」
「アオ。」
「アカ。」
「フィニッシュ。」
「うわ〜、逃げても逃げても追いかけてくる〜。」
ドカ〜ン。
「うう、友達だと思っていたのに〜。」
天巡 さん、あなたの死は、無駄にはしない。
こうして、笑いのネタにしてますよ。
「さあ、あっちはどうなったかしら?」
「わ、私達は何を?」
「元に戻ったみたいね。」
「み、瑞穂〜。」
「涼子ちゃんだ〜。」
「美雪〜。」
「愛ちゃん。」
「ん?」
「オールド・ハワイコナさんでしたっけ、あなたは私のファンじゃないの?」
「私、奈々ちゃんも好きなんですが、どちらかと言うと、静香さんが....。」
「むう。」
「終わったみたいね。」
「隊長。」
「でも、この人達、洗脳は解けたみたいだけど、体は、改造されたままなんだけど。」
「そんな事、私達が気にする事じゃないわ。」
おいおい。
「あ、オールド・ハワイコナって言ったっけ、その男、こっちに連れてきてね。」
「どうするんですか?」
「こっちでゆっくり、お説教してあ・げ・る。」
こうして、UZUKI V 最大の危機は去った。
戦え、UZUKI V。
がんばれ、UZUKI V。
ケン将軍の野望を砕くその日まで。
「切り札....あっさりやられちゃったなあ。」
「そうですね〜。」
「おのれ、UZUKI V 次こそは、やっつけてやる。」
「毎回、言ってますね〜。」
ど〜も す です。
今回は、夏休みスペシャル、1時間枠ってイメージで書いてみました。
「そこつやの館」さん向けのスペシャルです。
行ったことのない方には、楽しめない内容かも知れませんね。
今回のテーマは内輪ネタだったもので。
この連載は、後2回ほどで終了の予定です。
今後は、コミカル色が薄くなると思います。
では、次回またお会いしましょう。