Small Circle Of Friends

          開設当時から待ちに待ってた、すさんのSSです。
        実験的なSSと仰っていましたが、実験は成功です。  では・・・・・・


 トゥルルルルル。
 トゥルルルルル。

「はい、麗子です」
「あ、お姉さま」
「え?お姉さまは嫌?」
「でも、年上の人を、呼び捨てには....」
「でも、お姉さま」
「え?わざとなんかやってないわよ」
「はい。いずみさん」
「あら。ふふふふ」

「で、今日はどうしたの?」
「ええ。」
「もう会えないって、どう言うこと?」
「え?出ていくって、その家を?」
「ええ」
「え?竜之介さんと」
「まあ。反対されて」
「そうね」
「でも...」
「まあ、ドラマみたい」
「すごいわね。そこまで思い切れるなんて」
「ふふ。駆け落ちって訳ね」
「え?まあ、駆け落ちしようって人が、何弱気になってるの?」
「大丈夫よ。竜之介さんが、いずみさんを拒絶する訳無いじゃない」
「まあ」
「自分の愛した人を信じなきゃ」
「あら、ご馳走様」
「いいわね。羨ましいわ」
「え?私」
「私は駄目よ」
「なりぽし?」
「なななななな、何言ってるのよ」
「そうよ、なりぽしはただのボディーガードよ」
「わ、私は十分素直よ」
「え?そ、そんなこと無いわよ」
「ど、どもって何かいません」
「な、何でもありませんってば」
「そ、そんな」
「ば、馬鹿な事言わないで」
「だ、だから、私は素直ですって」
「...そうね」
「わ、わかったわよ」
「じ、じゃあ、もし私に好きな男性がいたとして...」
「もしって言ってるでしょう」
「もし好きな男性がいたとして、...どうすればいいと思う?」
「ええ。どうやって、進展させればいいのかしら?」
「え?ななななな何を。押し倒すなんてそんな」
「それは、....確かに、仕事のこともあるし、なりぽしが思い切るのを待ってたら、いつになるかわからないけど」
「...あ」
「わ、笑わないでよ」
「...そうよ、なりぽしよ」
「笑わないでってば」
「え?そんな、お似合いだなんて...」
「...いずみさん、他人事だと思ってるでしょう?」
「そうなのよね〜。男ってどうしてこう鈍感なのかしら?」
「え?う〜ん。多分、私の気持ちにすら気付いてないんじゃないかしら」
「だから〜。私の方からなんか、言える訳無いでしょう?」
「たしかにね。私が思い切らないと、進展しないって言うのは解ってるわよ」
「ええ」
「そうね。押し倒すのはともかく、さりげなくやってみるわ」
「ええ。」
「でも、結婚なんて、遠い夢よね〜」
「いずみさんが羨ましいわ」
「う〜ん、どうかしら?」
「ええ、きっと仕事は失うでしょうね」
「私だって、それくらい....」
「大変なのは解ってるわよ」
「そうよね〜。自分の好きな人のそばにいることが、やっぱり一番ですもの」
「ええ。はい」
「じゃあ、いずみさんも、竜之介さんとお幸せに」
「ええ」
「ええ。じゃあ、また縁があったら」
「はい。お休みなさい」
「はい」

 ガチャ。


 
すさんの後書き

 ど〜も、す です。
 こちらには、初投稿ですね。
 ....初めてなのに、そんな気がしないのは何故?(苦笑)
 今回は、なりぽしさんのリクエストによる、麗子SSです。
 ちょっと実験作。
 電話を、後ろで聞いてるようなイメージでやってみました。
 SSの時期としては、私の「海の時間」の前後ですね。
 いや〜。
 今回は、短い割に苦労しました。
 一番悩んだのは、麗子の言葉遣いです。
 電話相手のいずみは、麗子から見れば、年上。目上の人になりますからね。
 で、いずみと麗子の関係では、規格外なお嬢様であるいずみは、麗子の憧れの人になり得るんじゃないか?と思い、こんな口調になりました。
 では、また別の作品で〜。

 あ、この作品は、「チチ戦争」とは関係有りませんからね〜。

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